私たちは両親から生まれ、そのつながりは祖父母や先祖へと続きます。
お墓というものがあることで、人は先祖、亡くなった人を思い出し、心の整理をつけられます。そして、普段忘れがちな「生きること」「生かされていること」、そして「死」と向き合うことができる場所でもあります。
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またお墓、墓石は長く残るものであり、埋葬されている人が生きていた証となります。お墓は一生に一度の大きな買い物。お墓を建てる際は、家族や親族と事前にお墓の場所やイメージについてしっかりと相談をしておきましょう。
お墓を選ぶ際のポイント
立地
お墓参りや掃除など、お墓の管理をしてくださる方にとって便利な立地を選びましょう。車での所要時間や公共交通機関を利用した場合のアクセス、駐車場の有無など、しっかり確認しておきましょう。
種類
墓石の種類は、大きく分けて3つあります。主に石材を4段に重ねて構成されているスタンダードな「和式墓石」。横長で奥行きの浅い形状の「洋式墓石」は、芝生の墓地で良く目にするタイプです。「デザイン墓石」は、墓石専門のデザイナーに相談しながら作成するオリジナルのお墓です。
価格
お墓の土地の使用権料である「永代使用料」、お墓の維持のための「管理料」、墓石本体、外柵・納骨棺、施工費「墓石代」の3つです。高額になる場合もあるので、事前に確かめることをおすすめします。
環境
お墓は屋外にあるため、日当たり・風通し・水はけなどもチェックしておきましょう。
宗教
墓地によっては宗派・宗旨を限定している場所もあるため、事前に確認しておきましょう。
お墓の種類
一般墓(家墓/累代墓)
日本ではスタンダードなお墓です。継承墓というのは、代々続くその家系の墓に、個人の骨を一緒に納骨して供養をする方法です。
両家墓
自分の家と配偶者の家のお墓など、二世帯の家を一緒にまとめたものです。家墓と違い、別の姓の親族も一緒に埋葬する墓です。実家のお墓を継承する人がいなくなった場合に利用されます。
個人墓
先祖代々の家族墓に対して、一人だけが埋葬されるお墓で、継承することはできません。お墓の後継者がいない方が、ご自身のための個人墓を建てる方が増えています。
夫婦墓
夫婦のみが入れるお墓で、夫婦墓(めおとばか、ふうふばか)と呼ばれます。通常は、1代限りで永代供養として弔われます。
共同墓
家族ではなく同じ信仰や志向を持つ人たちが一緒に埋葬されるお墓です。地域で管理している墓地や、教会墓地や寺院の檀徒専用の墓地などです。
合祀墓・合葬墓
跡取りがいない、墓守ができない人たちが、遺骨を合祀墓や合葬墓に納めます。他の人と同じ場所に埋葬します。
納骨堂(ロッカー型 / 墓石型 / 仏壇型)
骨を骨壷に入れたまま室内に安置して管理するタイプのお墓のことです。
納骨堂は少子高齢化により、お墓を継いでくれる子供がいない家庭が増えたことや、核家族化が進み、都心部に人口が集中して地方が過疎化していることなど、近年のライフスタイルの変化に応じて人気を集めています。
自動搬送式納骨堂(マンション型 / 機械式 / カード式)
参拝スペースに遺骨が自動的に運ばれてくる納骨堂です。
ほとんどは屋内でのお参りになるため季節や天候を問わず、永代供養が付いている事がほとんどです。
永代供養墓
様々な理由でお墓参りに行けない遺族の方に代わって、霊園や寺院などの運営元がご遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法です。
散骨
細かく砕いた遺骨を山や海に撒く埋葬方法で、遺骨を自然に還す自然葬の一つであり、多くの場合にはお墓は不要となります。
海に遺灰を撒く「海洋葬(海洋散骨)」、里山の森林に散骨する「樹木葬」、カプセルに納めて宇宙へ打ち上げる「宇宙葬」などがあります。
また、遺骨の全てを散骨することや一部だけを散骨することも可能です。
墓地の管理運営主体と特徴
墓地の管理者や運営主体によって特徴があります。
公営霊園(公営墓地)
公営霊園には宗教的な制約は一切ありませんが、お墓を建てる人がその自治体に住んでいることが必要です。
管理費も比較的安く、希望者が多くて抽選を行われる場合が多いです。
民営霊園(公営墓地)
民営霊園は、宗教法人や企業が運営する霊園です。
石材店などが出資して作られる場合も多く見られます。指定の管理会社が管理を担当する場合が多く、宗教の制約はほとんどありません。
寺院墓地
寺院墓地の場合、管理・運営は各宗派のお寺です。
管理や運営を行う寺院が側にあるため、手厚い供養を受けることができますが、利用には檀家になるという条件があり、別途お布施も用意が必要になります。
費用について
永代使用料
お墓を建てて代々継承していくためにかかる費用で、立地条件や必要とする土地の面積、搭載する設備などによって価格は変動します。費用相場は、約30万円~130万円ほどです。
墓石代
お墓そのもの(墓石)の料金です。費用相場は、約60万円~200万円ほどです。
管理費
霊園や墓地の共有スペースや施設の維持・管理をするために使われる費用です。費用相場は、2,000円~1万5,000円ほどです。
お墓は相続税の非課税対象
お墓や墓地などの祭祀財産は、相続税の非課税財産(相続税がかからない財産)となります。そのため、生前にお墓や墓地を購入しておけば、相続税の節税対策にもつながります。
祭祀財産を活用した相続税対策の注意点
お墓をローンで購入し、完済前に亡くなった場合、残額は債務控除になりません。相続税対策としてお墓や仏壇などの祭祀財産を購入するのであれば、現金一括払いなどで、生前に確実に支払いを終わらせておくことが大切です。
お墓を建てるメリット
- 親族や周囲から非難されないで済む
- いつでも故人に会いに行ける安心感がある
- 故人の遺骨の散逸が防げる
- 昔からのしきたりを守る人には安心できる
- 故人の霊魂が帰ってくる場所がある
- 生前に購入するのが節税になる
- 生前購入は家族に負担をかけずに済む
- 生前にお墓を建てることは縁起が良い
お墓を建てるデメリット
- 永代使用料、墓石代、管理費など経済的な負担がある
- 子供に精神的、経済的、時間的、肉体的な負担をかける
- 人間は死んだら無になるので、お墓を建てるのは無駄
- 亡くなってもお墓の納骨室などの狭い場所に押し込められたくない
- 亡くなっても自然の生物の循環の中に還れない
「終活」の浸透によって、自分のお墓、夫婦のお墓、家族のお墓について、元気なうちから考える方が増えています。生きているうちにお墓を建てる「寿陵(じゅりょう)」(生前墓)も珍しいことではなくなりました。
最近では、後継ぎのいないことを考慮したり、子どもにお墓の管理が負担にならないように、維持費のかかる継承墓ではなく一代限りの永代供養のお墓を選択する人が増えています。またそれだけでなく、生前に遠く離れた先祖のお墓を整理する墓じまいや、海洋散骨や墓石がいらない樹木葬などの方法を選択する人、そもそも遺骨すらも受け取らせない、ゼロ葬といった葬送も増えてきました。
お墓選びは一生に一度の大きなイベントです。焦らず、妥協せず、満足できるお墓選びをしてください。
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お仏壇同様、お墓についても、終活の一環として生前にご検討されてはいかがでしょうか。
終活は、遺されたご家族の負担を減らすとともに、残された時間を有意義に過ごすための大切な活動です。
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