病気のはなし

「年のせい」と決めつけないで 難聴と認知症の意外な関係性とは?

認知症は「年齢を重ねれば仕方がない」と思われてきましたが、近年は生活習慣や健康状態など、さまざまな要因が関係していることが分かってきています。
2024年には、認知症の専門家による国際委員会が、認知症の発症に関係する「修正可能な14の危険因子」を公表しました。その中でも、難聴は認知症への影響が大きい危険因子の一つとして注目されています。
今回は、難聴と認知症の関係や、耳鼻咽喉科を受診するサインなどをご紹介します。

🧠 なぜ難聴が認知症と関係すると考えられているの?

難聴が認知症を直接引き起こすことは証明されていません。しかし、難聴と認知機能の低下には関連があることが、多くの研究で報告されています。その理由として、次のようなことが考えられています。

① 🗣️ 会話が減り、脳への刺激が少なくなる

聞こえにくくなると、相手の話を聞き取ることが難しくなり、会話の機会そのものが減ることがあります。家族や友人との会話は、脳にとって大切な刺激になります。交流が少なくなると、認知機能の低下につながる可能性があります。

② 🧩 聞き取ることに脳が多くの力を使う

聞こえにくい状態では、脳は言葉を理解するために通常より多くの情報処理を行います。
その結果、記憶や考えることに使える脳の余力が少なくなり、認知機能へ影響すると考えられています。

③ 👥 社会的孤立につながりやすい

聞き返すことが増えたり、会話が聞き取りづらくなったりすると、人との交流がおっくうになり、外出や地域活動への参加が少なくなりがちです。社会とのつながりが少なくなることも、認知症のリスクを高める要因の一つと考えられています。

🏥 耳鼻咽喉科を受診する目安

テレビの音量が以前より大きくなったり、聞き返すことが増えたりするなど、聞こえにくさを感じたら、「年齢のせい」と決めつけず、一度耳鼻咽喉科で相談しましょう。

特に次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 聞こえにくさが続いている、または急に聞こえにくくなった
  • 左右で聞こえ方に差がある
  • 耳鳴りやめまいを伴う
  • 家族から難聴を指摘された
  • 日常生活に支障を感じるようになった

耳垢が原因の場合もありますが、加齢性難聴のほか、治療が必要な病気が見つかることもあります。聴力検査を受けることで、自分では気づきにくい聞こえの状態を確認することができます。

🦻 補聴器は認知症予防につながる?

補聴器を使えば認知症を確実に予防できる、と証明されているわけではありません。
しかし、聞こえを補うことで会話がしやすくなり、人との交流や社会参加を続けやすくなることから、認知機能の低下を遅らせる効果が期待されています。
聞こえにくさを我慢せず、必要に応じて補聴器について相談することも大切です。

🌱 聞こえは健康の大切なサイン

難聴は加齢によって起こりやすい変化ですが、「年齢のせいだから」と放置しないことが大切です。
聞こえにくさに早めに気づき、必要に応じて治療や補聴器などを活用することで、人との会話や社会とのつながりを維持し、毎日をいきいきと過ごすことにつながります。
「少し聞こえにくくなったかな」と感じたら、一度耳鼻咽喉科で相談してみましょう。

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